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邪神大神宮大祭(オフ会)

─第四十七回 旧戸隠村 鬼女紅葉祭り行─

於 紀元二六六五年(平成十七年)神無月壱拾五日〜壱拾六日

其之壱(一日目)
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 今年も行って参りました、鬼女紅葉祭り。鬼無里の方の祭りは忘れていて参加できず、職場の混乱やサーバのディスククラッシュなど公私ともに災厄に見舞われてしまったため、禊のためにも戸隠の方の祭りには何としてでも参加せねばなりませんでした。そしてまた、初の本格的な邪神大神宮のオフ会ともなりました。

 中野駅南口午前九時集合、参加者は夢民村で知り合った水鈴さん、タマモさん、ばからむさん。水鈴さんの車とタマモさんの車に分乗し、関越道・上信越道で長野を目指します。

関越道三芳SAにて。神秘の旅への気合十分。

 長野ICで高速道路を降り、旧戸隠村(現長野市)へ向かいます。車は紅葉伝説の舞台、柵(しがらみ)の里へ。柵への道は山道でしかも非常に分かりにくいので、上信越道の松代PAより先は、私が水鈴さんの車を駆って先導することになりました。

最初に寄った伝承地、十二社。平維茂の紅葉征伐の折の休泊地といわれています。 維茂が植えたという桂の切り株が残っています。この年の春に訪れたときにはなかった祠も無事再建されたようです。

 このあたりは紅葉伝説の主要な舞台なので、山のように沢山の伝承地があるのですが、今回の行程でその全てを周りきる事はとてもできません。先導人である私の独断で伝承地をピックアップして周ることにしました。

紅葉様の眠る「鬼の塚」へ参拝。
    いつの間にか設けられていた「紅葉の銘水」。今まで気付かなかっただけか?

「鬼の塚」に拝礼?するタマモさん。 手前の小さな五輪塔は紅葉様の家臣達の墓。

 雨上がりということもあるのでしょうか、鬼の塚からはとてもいい「気」が感じられました。ばからむさんもそれを感じ取っておられたようです。
 車は紅葉様の菩提寺・大昌寺へと向かいます。

大昌寺駐車場より。北の谷から龍のような雲が沸き起こっています。吉祥か?
    大昌寺の境内に聳える「鎮守の熊杉」。

今まで気付かなかったのですが、根元に祠がありました。
    まさにご神木。

先程沸き起こっていた龍の雲がたなびいて、鳳凰の形になりました。まさに瑞雲! 周囲の気もより一層澄んできたような感じでした。

紅葉様の菩提寺・大昌寺。 大昌寺の仁王門。

大昌寺境内の紅葉慈母観音像。 駐車場近くの道祖神。

 大昌寺では本堂内に入らせて頂き、平維茂・紅葉様恩讐合祀の位牌や、狩野派の画家が描いた「紅葉狩」の掛軸などを見学。そしていよいよ紅葉様と維茂の最終決戦場、荒倉山へと向かいます。細い山道を抜けて、まずは明日の紅葉祭りの会場となる、荒倉キャンプ場へ。

キャンプ場へ着いてびっくり! 明日の祭りのため、キャンプ場へ至る道の両側はこれまでの奉納旗で埋め尽くされるのですが、なんと車を停めて降り立ったその場所に、昨年自分が奉納した旗が掲げられていたのでした。

 さて、ここには「紅葉の岩屋」の拝殿とも言うべき紅葉稲荷神社が鎮座しており、そこに参拝するために寄ったのですが、その途上に「駒の爪」の看板があります。「駒の爪」とは維茂が乗っていた馬の爪跡が残る岩のことですが、看板に「これより二十メートル程入った杉林の中」と書かれてはいるものの、以前訪れたときは草薮に覆われたどり着けませんでした。その看板を見つけたばからむさんが、おもむろに草薮をかき分けて斜面へ入っていきます。今回は見つかるかもしれない。そう思いつつばからむさんの後に続きました。
 ぬかるむ斜面を踏み越えて、倒木を乗り越えて、紛らわしい別の岩に惑われたりすること数分。今回は「駒の爪」にたどり着くことができました。これもばからむさんのご霊徳?

駒の爪。言われてみると岩の窪みが蹄の跡に見えないことも……しかし巨大な。維茂の馬は黒王号か、松風か?! まあ「ゴッドサイダー」維茂ならばあり得ない話では……おそらくもともとは古代の磐座だったんでしょう。

 駒の爪より戻り、紅葉稲荷神社へ。

紅白幕で飾り立てられた紅葉稲荷神社。 紅葉稲荷神社奥の「山の神」。

 荒倉キャンプ場では、駐車の際、タマモさんの車が石か何かにぶつかった音がしたようですが、結局正体は不明でした。そのような不安要素?を抱えつつも、「紅葉の岩屋」を目指して、さらなる荒倉山の奥に向かいます。

 このあたりは何度来ても運転のしづらい道。しかし昨年台風で一度崩れた後、若干改修されたようで、今までよりは走り良い道となっていました。けれども、「紅葉の岩屋」入口は、車で走っていると非常に分かりにくいのです。目印は、路傍の草に隠されるようにして立てられている、

こんな小さな看板だけなのですから。

 傍らの草むらに車を停め、「紅葉の岩屋」への登山開始。登山というには若干大袈裟ですが、距離は比較的短くとも斜面が急なため、通常のハイキング以上のものがあります。

岩屋に向かう途中の「釜背負岩(かましょいいわ)」。鬼が釜を背負って逃げている姿だと言われています。

岩屋に向かう途中の「紅葉の化粧水」にて。 紅葉様が朝夕洗顔した水。飲用可能です。

 斜面を登り続け、そろそろ一行の気力もそろそろ……というところで、ついに「紅葉の岩屋」が眼前に姿を現しました。紅葉様が立て籠もり、維茂に討たれたという、紅葉伝説伝承地の中心とも呼ぶべき場所で御座います。

いつ行っても昼なお暗い場所です。一茶の句にある通りです。 訪れる者を深淵へと誘う……。


岩屋向かって右側の浅い岩穴「前庭」にて、「紅葉様」とともに記念撮影。中央に立つ私の右胸辺りに、青白い光の帯が。フラッシュこそ用いているものの、バッグを肩から掛けている訳でもなく、このような場所に光の筋が写りこむ道理はありません。寒いので虫も飛んでいません。謎の一枚になってしまいました。紅葉様の歓迎の証でしょうか。

岩屋近くより、戸隠の山並みを望む。 帰り道に見上げた屏風岩。若干紅葉の気配を感じさせます。

 岩屋からの帰り道に、紅葉様と郎党が煮炊きをしたという「釜壇岩」も訪れました。

「釜壇岩」は岩が組み合わさってトンネルのようになっており、上に向かって隙間もいくつか開いています。煮炊きに使ったと言われる所以でしょう。 岩の組み合わさり方が、巨石遺構を思わせます。伝説にもなっているのですから、本当はドルメンなのかもしれません。

 こうして最大の目的地である「紅葉の岩屋」巡礼も終わりました。時間は既に五時近く。季節柄、岩屋を訪れるにはギリギリの時間だった訳です(これより遅いと暗くて足を踏み入れられません)。景色は美しいながらもいつ崩れてくるとも分からない岩肌の続く山道(実際よく岩が転がったりしています)を抜け、戸隠中社にある今晩の宿へと向かいました。

今回の宿は旧本坊観修院「久山館」。いわゆる宿坊(寺院の中にある宿泊施設で、元々は信者や参拝客を泊める施設。現在では多くが誰でも気軽に泊まれる宿になっています)です。 「久山館」の建物。歴史ある建物です。ここはかつて紅葉様の配下である女の鬼「お万」が、維茂の討伐後、髪を下ろして尼になったという場所でもあり、近くには「お万」の墓といわれる「足神社」もあります。

「久山館」でくつろぎのひととき。 お茶請けとして出された蕎麦団子。

 宿に着いて適当にダラダラ。「BLOOD+」などを見ているうちに夕食の時間にw。

まずは一献! 山の幸をふんだんに盛り込んだ夕食。

夕食は次々に運ばれてきます。中央の山芋の茶碗蒸し?は絶品。 そして本命の手打ち蕎麦! 戸隠に来てこれを食べない法はありません。

 夕食の後は、酒の買出しへ。長野市街までの買出しも覚悟していましたが(片道三十分〜一時間)、戸隠神社近辺は山の中といえども多くの宿が建ち並ぶ観光地なので、意外に遅くまで酒屋が営業しており、徒歩で済みました。

信州限定のお酒勢揃い。カクテル系の安酒ばかりですが……。 戸隠中社は温泉も湧いているので期待したのですが、湧出量が少ないのでしょう、宿のお風呂は本当に「お風呂」でした。もともと観光の宿ではないし、低料金なので仕方ありません。

 さて徹夜で宴会じゃ……と行きたいところでしたが、さすがに旅の疲れで十二時頃には全員すっかり眠りの底へ。

 大祭は二日目へと続きます。明日はいよいよ紅葉祭りです。



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