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紅葉様依代(ドール)の仕様など







 素体は27cmのボークス製ドルフィープラスを使用。ダークブラウン・ストレートのウィッグにイエロー系のグラスアイを使ってます。ウィッグがダークブラウンなのは黒が売り切れだったせいですが、見た目はほとんど黒なので無問題。瞳がイエロー系なのは、妖魔っぽい雰囲気を出すためと、紅葉様が霊力を発揮する際、瞳の色が変わったとかいう伝承があるためです。

 当神宮の依代は、衣装を変えて別の依代なってもらうときもあるのですが、紅葉様に関しては組み立て当初から紅葉様以外にはなっていません。何といっても当神宮の巫女神様、守護神様ですからね。そもそも宮司が当神宮を設立しようと思い立ったのも紅葉様の伝承地に赴いたのが大きなきっかけとなっていますし、実はその思い立った頃に紅葉様が夢に現れまして、「ともに進もう」と語ってくれたといういわくがあったり……何だか物凄くアブナイ話ですが、もっとアブナイことを言えば紅葉様の依代が紅葉様以外にはなり得ないのは、何よりも宮司が紅葉様を深く愛しているからなのです。ああっ紅葉様……w

 衣装に関しては、はじめ色々悩みました。紅葉様は巫女としての属性が強いですし、実際絵巻にも巫女装束で描かれている。ということでスタジオK2さんの巫女装束をまとって頂きました。千早もやはりスタジオK2さんのものです。
 さてこの巫女装束、元神職の自分が見てもよくここまで再現したな、というぐらいよくできていますし、まとって頂くと実際萌え萌えなんですが、これだとただの巫女人形になってしまう。独自性が欲しかったんですね。そこで何かいい着物はないかといろんなドールショップを探したんですがなかなか見つからず、ようやっと中野の一般の子供向けおもちゃ屋でリカちゃん用の浴衣を見つけたのでした。「紅葉」の模様の入った。そして少し改造して巫女装束の上から着て頂いたのです。それが何とまあ不思議な具合にマッチいたしまして。そうして首から紅葉様の菩提寺・戸隠大昌寺の紅葉慈母観音のお守りを下げて頂いて完成したのが、「紅葉羽織」バージョンなのです。紅葉様は荒くれ武者を束ねたりと女傑的な側面がありますから、ちょっと武士チックでいい感じになりました。

 こうして巫女にして女傑という伝説の姿を再現した訳ですが、伝説の中で最も華麗であったのは源経基の側室時代。それに関してはちょっと妬けるところではありますがw、何といっても紅葉様が最も幸福であった時代ですしねえ。そして平安時代の高貴な女性の装束といえば十二単。そういう訳で土蜘蛛の取材で福島県を訪ねた折、小野町のリカちゃんキャッスルに逝ってここ限定の「小野小町リカちゃん」を購入してきたのです(福島県小野町は小野小町生誕伝説の地)。そして、その十二単を紅葉様にまとって頂いたんですね。するとどうでしょう、さすがという何というか、やはり最も華麗にして優美な紅葉様が立ち現れたのでした。京云々の話がなくとも「内裏様」と呼ばれる程高貴な方だった訳ですからね。やはり最高の装束をまとって頂く必要もあるかと。「内裏屋敷」に住まいしていた頃にもこうして十二単をお召しになられていたかもしれませんね。ただリカちゃんはボークスの素体よりやや小さいこともありまして、この装束も紅葉様には少し小さいのです。ですから腕や脚を上手く折り曲げなくないとちょっとバランスが悪い。でも上手くすると全体的に小柄な、おそらく昔の日本人はこんな感じだっただろうというような体型になります。小柄になってしかも装束の構造上首も縮まって見えるので、かなり童形っぽく見えます。まあ側室時代というのは十代の若い頃なので丁度こんな感じかな、と。一応この十二単の「内裏バージョン」をもって完成形と思っております。

 他、小道具として紅葉様が使われたという「檜扇」を制作しました。これは扇の絵以外は完全に自作です。ボール紙で芯を作り、印刷した絵を芯に貼り付けて……という感じで。我ながらなかなかいい仕事をしたなと思っております。紅葉様はこの扇で傷や病をたちどころに直したそうですが、シャーマンとしての紅葉様には欠かせない霊的アイテムですね。ちなみに後に芯を黒く塗ってよりリアルな感じに仕上げました。
 あと、写真で使われている屏風ですね。これはひょんなことから岩槻市に行く用事が出来て、ついでに買ってきたものです。岩槻は人形の町で、駅前にいくつも人形屋のビルがあるんですよ。市内には人形屋の開く博物館がいくつもあるし。今まで和人形とはさすがに縁が無かったのですが、いや~なかなか和人形の小道具(むしろ大道具か)も使えますね。ちなみに雪洞(ぼんぼり)も岩槻で入手したものです。
 あと紅葉様が座しておられる畳ですか。これは鬼無里の「旅の駅」の外の露天で売っていたものです。こういうものって、探そうとすると難しかったりするのですが、これが何と三百円!安い! もっとも百円ショップとかにもありそうなものではありますが、何といっても紅葉伝説の地・鬼無里の人の手作りですからね。紅葉様に座していただくには最上のものな訳です。
 ということで、つづれなるままによしなしごとを書きつくってしまいましたが最後に紅葉様から一言。

あやしうこそものぐるほしけれ。

ありがとうございました。

■追記
このページの写真を金屏風のものから紅葉の樹上のものに変更しました。なお、台座に使用していた鬼無里の畳は、紅葉祭りの前日に紅葉稲荷神社の山の神に置き忘れてしまいました。関係者の方々、ゴメンナサイ。
(紀元弐千六百六拾五年(平成十七年)葉月壱拾弐日)



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